完全サクラゼロを標榜し「出会える系の出会い系」としての地位をコツコツ重ねてきた企業努力によっていよいよ盤石のものにしたハッピーメールは、最近では某県知事の件などで何かと話題にも恵まれて「本当に出会える」ということがついに証明され、出会い系の天下をとりかねない飛ぶ鳥を落とすような勢いを獲得しつつあります。
「この出会いのビッグウェーブに乗り遅れるな!」という風潮によって男性新規ユーザーの参入がますます過激化するであろうハッピーメールにおいては、出会いの競争率もおのずとあがっていくことになるでしょう。
「“出会える系”のハッピーメールに登録して、なんとなく使っていれば、そのうち、自然と素敵な女の子に出会えるだろう」と呑気に構えてボンヤリしているばかりでは、ハッピーメールにおける「素敵な女の子との出会い」は、すべて、「出会ってみせる!」という強い意志を持って動いている強かなユーザーに根こそぎ持っていかれることになります。
そこで、重要になってくるのが「他のユーザーとの差別化」ということになります。
「度を超えたイケメン」だとか「天才的なコミュニケーションスキル」といった外面・内面における「天から授けられた能力」を持たない、大多数の凡庸な出会い系ユーザーが、他の同様に凡庸なユーザーと差をつけるために必要なのは、出会い系における「基礎中の基礎」の再確認と、その「基礎」からそれぞれ独自に練り上げていく「出会いのための戦略」となります。
「出会い」に備えてどれほど「思考」を重ねたか、ということが、出会い系を制するための「鍵」となりますし、「思考を重ねる」以前に、そもそも「思考を開始」させるためには、「そんなことまで?」と思うような「基礎中の基礎」の把握がどうしても必要となってきます。
そのような「基礎中の基礎」のなかに、出会い系サイトによって微妙な差異がある「料金体系」というものがあることは言うまでもありません。
「料金体系」の特徴を把握して、そこを出発地点にして戦略を練っているハッピーメールのユーザーと、ただ漫然とポイントを消費しているハッピーメールのユーザーとでは、「出会い」に向けた出発地点がそもそも違います。
「料金体系」からどのような戦略を導き出すかは、人それぞれとなりますが、ここで、改めて、ハッピーメールの「料金体系」をおさらいして、その特徴を把握することは「出会い」の可能性をあげていくにあたって、決して無駄になるということはないでしょう。
ハッピーメールの料金体系
さっそく、ハッピーメールの「ポイント購入」のレートや、購入したポイントがどのように「消費」されていくのかを見ていきましょう。
価格 | 1pt=10円 |
1000円 | 100P |
2000円 | 210P |
3000円 | 320P |
4000円 | 430P |
5000円 | 550P |
10000円 | 1150P |
15000円 | 1700P |
20000円 | 2300P |
まず、購入レートですが、ハッピーメールに関しては、他の出会い系のポイント購入と比べて、いわゆる購入金額に応じて振る舞われる「ボーナスポイント」の付与が少ないのが特徴的といえるかもしれません。
たとえば、イククルの最大の特徴であるような「購入金額の上昇にあわせて付与されるポイントが“倍加”していく」というようなサービスは、ハッピーメールのポイント購入には見られないものです。
ハッピーメールに関しては、20000円購入しても最大で23000円分のポイントが手に入るだけですから、20000円の購入で45000円分程度のポイントが手に入るイククルのような出会い系では有効となる「一度に大量課金する」という戦略が有効になりません。
ハッピーメールにおいては3000円分のポイントのコンスタントな購入を軸にしながら、消費ポイントをその都度計算していくというような、ちょっとした「地道さ」がひとつの戦略となってくるかもしれません。
「ボーナスポイント」の付与が多い出会い系においては、ポイントの使い方が「豪快」になっていく傾向があり、またそれが許されもしますが、ハッピーメールに関しては「繊細かつ丁寧」なポイント消費がより強く要求されることになります。
「豪快」という態度と、「繊細かつ丁寧」という態度のどちらかが決定的に優れている、ということはないのですが、もし、ハッピーメールの利用において「豪快」な態度のみを選択した場合、それはやや「悪手」と言わざるをえません。
ここで、前述したような「なんとなく使っているうちに、素敵な女の子と出会えるかも」というだらけきった態度を、「豪快」というある種の「潔さ」さえ感じさせる態度と、さらに峻別するべきかもしれません。
これは「怠惰で雑」という、いわば「垂れ流し的」なポイント消費でしかありませんから、これは、ハッピーメールにおいては最も致命的な態度となります。
このような致命的な「怠惰さ」は、「限られたポイントをどのように的確に使うか」という出発地点からハッピーメールを「繊細かつ丁寧」に、つまり「戦略的」に利用しているユーザーから大きく差をつけられることになります。
「繊細かつ丁寧」なポイント利用というのは、いわゆる「ケチ」とは根本から違います。
ハッピーメールにおいてもあるタイミングによって「豪快」なポイント消費が必要となる場面が訪れます。この「豪快さ」が要求されるタイミングは、いわば「出会い系における『出会い』の勘所」ともいえるものです。
単なる「ケチ」であれば尻込みしてしまうところを、「繊細かつ丁寧」な態度によって練り上げられた戦略によって、「ここは使うタイミングである」とわかっているならば、「豪快」なポイント消費という的確な選択をとることが可能になるのです。
ハッピーメールのそのような場面のポイント消費に関しては、「豪快」というよりも、鋭く研ぎ澄まされた「錐の一突き」で急所を射抜く、というイメージのほうがより正確かもしれません。
ハッピーメールの消費ポイント一覧
ハッピーメールの消費ポイントの一覧を見ていきましょう。
掲示板/プロフィール/日記 | 無料 |
閲覧 | 1P |
閲覧 | 1P |
掲示板画像 | 2P |
投稿画像 | 3P |
投稿動画 | 5P |
プロフィール画像 | 2P |
プロフィール動画 | 5P |
メール添付画像 | 2P |
メール添付動画 | 5P |
似顔絵画像 | 2P |
フォトアルバム | 1P |
ムービーアルバム | 3P |
日記画像/動画 | 無料 |
プロフィール/日記 | 無料 |
掲示板(※各ジャンル24時間毎に1回無料) | 5P |
掲示板音声添付 | 3P |
掲示板画像添付 | 無料 |
日記本文/コメント | 無料 |
日記画像/動画添付 | 無料 |
メール受信・閲覧 | 無料 |
メール送信 | 5P |
画像/動画添付 | 3P |
スタンプ送信 | 5P |
マナー返信 | 無料 |
タイプ送信 | 2P |
タイプ送信者のプロフ閲覧 | 無料 |
いいね!送信 | 1P |
いいね!送信者のプロフ閲覧 | 無料 |
足あと経由のプロフ閲覧 | 無料 |
プロフィール画像/動画/音声 | 無料 |
音声プロフィール再生 | 3P |
掲示板/メールの音声再生 | 3P |
音声送信/返信 | 3P |
転送電話受信 | 3P(15秒) |
転送電話発信 | 3P(15秒) |
ボイスチャット | 3P(15秒) |
ハッピーメールの消費ポイントに関しては、他の大手・老舗・上質出会い系サイトの「相場」との大きな違いは見当たりません。
もちろん細かい違いなどはあるのですが、メールの送信が「5P=50円」であることや、掲示板やプロフィールなどの閲覧・投稿などが「無料~5P」の間で安定している設定であることなど「出会い系として使いやすい」という範囲内でバランスよく設定されています。
いわば、この「特性の希薄さ」こそが、ハッピーメールの「特性」と言えるかもしれません。この「特性がない」という「特性」のなかで「戦略」を練るのは非常に難しく、もしかすると、必要かつ有効なのは「徹底したリアリストとしての姿勢」だけかもしれないとさえ思われます。
ハッピーメールの消費ポイント一覧の中で、注意をしなければいけないのは、ともすると、「アプローチ」の項目の「タイプ」や「いいね!」の持つ「機能」だけ、ということになるかもしれません。この部分だけが、「特性がないことが特性」であるハッピーメールにおいて、例外的に浮き上がっている目に見える「特性」だからです。
「タイプ」と「いいね!」、そして「罠」
どうやら、「タイプ」や「いいね!」から導き出されてくるのは、「出会い」のために積極的に使いたい戦略というよりも、「ポイントの無駄遣い」を避けるための戦略、ということになりそうです。
「タイプ」はプロフィール画像などの「外見」のみで相手を判断して「あなたは私のタイプです」ということを相手に伝える機能で、2P+画像閲覧のためのポイント消費がかかります。
「いいね!」はプロフィールや日記などを読んだ上で「あなたを気に入りました」ということを相手に伝えるための機能で、画像などを開かなければ、1Pの消費で相手に好意を伝えることができます。
一応、「機能」と「ポイント消費」について説明しましたが、重要なのは「相手に好意を伝える」という「機能」が持つ性格と、その性格をもとに仕掛けられた「ポイント浪費の罠」ということになってくるでしょう。
その肝心の「機能」に関しても、残念ながら「男性から女性に好意を伝える」という武器としての角度からではなく、「女性から男性に好意を伝える」という角度から眺めていかなければ、何が問題であるかがつかめないのではないかと思われます。
結論からいうと、この「タイプ」と「いいね!」という機能は、「男性をその気にさせて(勘違いさせて)ポイントを浪費させる機能」としては非常に有効だ、ということです。
ハッピーメールを利用しはじめるとすぐに明らかになるのですが、自分のプロフィールもろくに書いていないような段階であっても、ログインと同時に女性ユーザーからの「いいね!」の通知が一気にくる、というのがハッピーメールの特徴です。「タイプ」も、量は「いいね!」よりも減りますが、よほどのイケメンでもないかぎり、同じ傾向が見受けられます。
ここで、不可解な「いいね!」や「タイプ」の通知を見て、「なんだかいきなりモテはじめた!」などと思ってしまうのであれば、あとは、「出会い」がないままにポイントを消費するだけのユーザーになってしまうことでしょう。
何もしていないのに「いいね!」や「タイプ」がくるなんてことは、まずありえません。ログインと同時にくる大量の「いいね!」や「タイプ」に関しては、基本的には「業者」からついたものである、と判断してまず間違いありません。
そこに気づかずに、「自分に『いいね!』や『タイプ』を押してくれたから」という理由で舞い上がってしまい、何も考えずに業者のアカウントに「いいね!」や「タイプ!」を返してしまう、あるいは「メールや掲示板でのやりとり」を開始してしまうハッピーメールのユーザーがいますが、それは「みずから出会いの可能性を遠ざけながらポイントを無駄に消費しているだけ」の「愚行」に過ぎません。
業者の特徴として、「かわいすぎる写メ」をプロフィール画像に設定している、ということもあります。ですから、自分に「いいね!」や「タイプ」を押してくれたアカウントに飛んだときに、「画像」のみで好意の判断を迫られる「タイプ」を何も考えずに押してしまいがち、ということもあるでしょう。これこそが「怠惰で雑」な「ポイント消費」の極みといったところです。
「タイプ」や「いいね!」を男性から女性へと送る場合、プロフィールを熟読した上で、掲示板やメールのやりとりを重ね、「これは確実に『業者』ではないな」と判断できた上で、かつ「素敵な女性だな」と感じられたときに利用するくらいがちょうどいいのではないかと思いますし、「ここぞ」というタイミングで、少々の「ダメ押し」の効果を持つ武器たりえるのではないかと思います。
「罠」を避けてポイント消費をおさえた上で何よりも重要なのは、メールや掲示板のやりとりにおける堅実さ、ひとつひとつのやりとりの重み、「ここぞ!」というときの「畳み掛け」になるでしょう。
ハッピーメールの料金体系から見えてくるのは、スペクタクルによってではなく、とるにたらない日常の積み重ねこそが過激な出会いに通じているということで、ハッピーメールにおける「他のユーザーとの差別化」は、「徹底的な凡庸さ」を「戦略的に選び取る」ということなのかもしれません。