PCMAXのような出会い系サイトにまつわる「出会い」の成功率の話などになりますと、「おじさん」と「若い男性」を比べたときに、「若い男性」が有利であり、「おじさん」は不利であるということがよく言われる傾向にあります。
「おじさんが女性と出会うための方法」だとか、「おじさんが女性に好かれるための最低限の身だしなみ」だとか、「おじさんが女性と出会うためのプロフィールの書き方」というような「対象をおじさんに特化した攻略法」は、「若い男性」に比べると劣勢に立たされるということになりがちな「おじさん」の出会い系ユーザーにとっては、おそらくは、喉から手が出るほど欲しい攻略法であることでしょう。
しかし、「若い男性」が「おじさん」に比べて、「若さ」という観点においてのみ優位に立っているとはいっても、「若い男性」の「出会い」が「おじさん」と比べたら遥かにイージーモードであるのか、というと実はそうでもありません。
むしろ、「若い男性であるにも関わらず出会いがないことで苦しんでいる若い男性ユーザー」は出会い系には無数に存在しているというのが事実です。
「若い男性であるにも関わらず出会いがないことで苦しんでいる若い男性ユーザー」が、もし、「自分はおじさんだから異性と出会えないのだ」というようなエクスキューズを出してくる「おじさんユーザー」を眼の前にしたら、血涙を流しながら「おじさんユーザー」に馬乗りになり「年齢を!言い訳に!するな!」と言いながら、防御不可能なマウントパンチを「おじさん」の顔面の原型がわからなくなるほどに繰り返し叩き込み、その結果、「おじさん」のアカウントに掲示されたプロフィール写真はストリートファイターの負け画面のように「ボコボコに殴られた中年男性の写メ」に差し替わってしまうかもしれません。
「おじさんが出会うための方法」や「おじさんが女性に好かれるための最低限の身だしなみ」や「おじさんが女性と出会うためのプロフィールの書き方」というような「おじさんに特価した攻略法」とされているものは、大抵の場合は、「おじさん」の部分をすべて「若い男性」に入れ替えたとしても成立するものであると私は考えています。
そして、これらの「おじさん」と入れ替え可能な「若い男性であるにも関わらず出会いがないことで苦しんでいる若い男性ユーザー」は、「おじさん」たちが「年齢」を原因にするようにして、「容姿」などを出会えない原因として考えはじめることになるでしょう。
出会い系における年齢の問題から少しばかり迂回して出会いを探る
PCMAXのような出会い系について考えていくにあたっては、「おじさん」であるだとか「冴えない若い男性」であるというような「年齢」にまつわること以上に、彼らが、「異性との『恋愛』なり『性行為』などの目的を携えて出会い系に登録している男性たち」である、という共通項のほうが重要であるかもしれません。
ですから、出会い系で出会いを欲しているのであれば、問題は「『恋愛感情』や『性欲』を持て余して出会い系を利用している男性が、見知らぬ異性と出会うためにはどうしたらいいのか」にあるのであって、この問題を「(『若い男性』と言い換えることが可能な)おじさんが異性と出会うにはどうしたらいいのか」というような「年齢」の問題に差し替えてしまうのは少しばかり考えものであるように思われます。
「『恋愛感情』や『性欲』を持て余して出会い系を利用している男性が、見知らぬ異性と出会うためにはどうしたらいいのか」について考えていくにあたっては、「出会い系を登録している女性がどのような目的で出会い系を利用している女性であるか」ということを知る必要があります。
しかし、この「年齢」という基準を取り払った場所から考え始められた思考は、「容姿」を原因とするような着地点をおそらく目指すことがありません。
ここからはじまる思考は、「おじさん」という「年齢」だとか、「見た目が冴えない男性」というような「容姿」以前の、「男性」の思考や行動の醜さや傲慢さや身勝手さを原因とした因果応報について思考になっていくことでしょう。
出会い系における少し異質なレアキャラとの出会い
まずは、「出会えないタイプ」、あるいは、「出会うことは可能であるが、おそらく恋愛や性行為には到達できないであろうタイプ」について知りましょう。
「恋愛」や「性行為」にそれほど興味がなかったりだとか、男性からそういった一方的な恋愛感情や性欲を向けられるとどうしても身構えてしまう、嫌悪感を抱いてしまう、というタイプの女性とはまず出会えません。
こういったタイプはそもそも出会い系に登録すらしないだろうと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
「お腹がすいているからご飯をおごってほしい」というある種の図太さを持ったタイプだとか、「興味本位」だとか、「(恋愛や性行為目的ではない)他者との出会いそれ自体に強い刺激を感じている」というような女性が、「レアキャラ」といった感じで出会い系にあらわれることがあります。
2018年は、「今のあなたにぴったりな本を1冊選んでおすすめさせていただきます」というコンセプトのもと出会い系を利用していた女性の体験談が出版されて一部で話題になりましたが、この女性などもどちらかというと、出会い系における「レアキャラ」であると思います。
この体験談を書かれた女性が「恋愛」などに一切興味がなかったかどうかは判別しかねるのですが、このような、ちょっと変わった何かしらの理由で「出会い」だけは求めていて出会い系に登録している女性がまれにいるというのは事実です。
これらのレアキャラ的な女性ユーザーとは、たとえ出会えたとしても、「恋愛」や「性行為」にまで到達するのはかなり難しいと考えたほうがいいでしょう。
金銭目的で出会い系に登録している女性たちと性的な男性たち
出会い系を使う女性は、男性と同じように「恋愛」や「性欲」などの目的を持つことがありますが、男性と決定的に違う目的であり、男性としては少しばかり厄介なのが「金銭」という目的で出会い系を利用している女性です。
「恋愛」や「性行為」にそれほど興味がないが「金銭」には興味があるという女性とは、ほぼ確実に出会えます。「出会いがない」という男性が、もし確実に出会いたいのであれば、「金銭」目的の女性を狙えば、「おじさん」であろうが「若い男性」であろうが、年齢に関係なくまず間違いなく出会いに到達することができるでしょう。
さきほど軽く触れました「お腹がすいているからご飯をおごってほしい」というような女性は、「金銭」のみを目的にして出会い系に登録している女性です。
これらの女性と出会った場合は、ご飯をおごったり、プレゼントを買ってあげたりして、ある一定の時間二人でお話をして別れるというような、「恋愛」や「性行為」に発展することのない「出会い」がのぞめます。「恋愛」や「性行為」がないことで不満を感じるかもしれませんが、これも一つの「出会い」のあり方です。
また、男性の場合も、「ちょっと寂しいから誰かと話がしたい」だとか「女の子と一緒に夕ご飯を食べたい」というような、「恋愛」という関係を築くことや「性行為」に対する興味が希薄なユーザーは存在します。
キャバクラのように女性と遊ぶことで性行為なしで「性欲」が満たされるタイプの男性もいますし、肉体的な問題で性的不能になってしまったが女性とは会いたい、というような男性もいるでしょう。
「恋愛」や「性行為」がないことで不満を感じることはないが「金銭」だけは求めているという女性と、「恋愛」や「性行為」を必要とはしないが女性とは出会いたい「金銭」を余分に所有している男性が出会った場合、これは、もっとも理想的な性行為抜きの「パパ活」の関係などが形成されることになります。
「恋愛」はそれほど求めていないが「性行為」は求めている、という男性である場合、「タダマン」と呼ばれるような金銭を介在させないセックスを求めているのでない限り、「金銭」を目的にしている女性は、出会い系のなかでほぼ確実に出会える「出会いの対象」となるでしょう。
とはいえ「金銭」を目的にして「性行為」を許してくれるタイプの女性は、素人女性ではなく悪質業者である可能性も高いので、「金銭を媒介にした性行為」という「出会い」を求めているのであれば、なにも出会い系にこだわらず、性風俗などに行くのがよいのではないかと思います。
男性のご都合主義的な「出会い」の基準
PCMAXのような出会い系における「出会い」は、「『恋愛』や『性行為』に到達しない出会い」「『金銭』を支払った出会い」などを「出会い」としてカウントしていけば、そう難しくもない、「年齢」や「容姿」に左右されることがない「出会い」であるということがわかります。
「『恋愛感情』や『性欲』を持て余して出会い系を利用している男性が、見知らぬ異性と出会うためにはどうしたらいいのか」という問題は、より突っ込んで言うと、「『恋愛感情』や『性欲』を持て余して出会い系を利用している男性が、見知らぬ異性と『恋愛』関係に発展したり、お金を払わずに『性欲』を満たせるような出会いを得るためにはどうしたらいいのか」という、かなり男性本位でご都合主義的な「出会い」を求めているがゆえの問題であると思います。
男性にとってのみご都合主義的な「出会い」だけに「出会い」を限定した場合、その難易度がぐっと高くなるのは当然のことです。それは、女性ユーザーにとってはご都合主義的な「性行為なしのパパ活」という関係性の獲得が難しくなるのとほぼ同じようなものです。
「出会いがない」、「出会えない」といっている男性は、「若くてかわいい女性」だけを女性として認識しており、その自分の価値基準からはずれる女性との出会いを、そもそも「女性との出会い」としてカウントしていない場合も多く見受けられます。
目的が「性行為」であれば「若くてかわいくてエロい女とタダでセックスができたら最高」というような出会いだけを出会いとしてカウントする場合、そのような「タダマン」に到達できなければ、その男性にとっては「出会いがない」ということになるでしょう。
虫のいい考えによってハードルが高められて厳選された出会い
PCMAXなどの出会い系を利用する男性から「出会い」という言葉が飛び出すとき、このような、「出会いとしてのカウントの拒否」、「出会いの厳選」によって意味を狭量にしてハードルを極端にあげた状態で「出会い」という言葉が使われているように私には感じられます。
しかし、そのような価値基準で「女性との出会い」を求め、ましてや、そのような女性だけを相手にして「恋愛」の関係を築こうとしたり、お金を支払うこともなく「性行為」をしようというのは、心情を多少は察するとしても、あまりにも虫がよすぎる話であると言わなければならないでしょう。
言い方は悪くなるのですが、ご都合主義的な男性が考えているような「若くてかわいい女性」というのは、出会い系にほとんど登録していません。
なぜなら、この手の男性にとって都合がいい、若くてかわいいというような理由で男性から関心を持たれるような女性は、わざわざ出会い系を利用するまでもなく、自分の身辺の異性からアプローチを受けて交際や結婚などをしている場合がほとんどであるからです。
放っておいても男性が寄ってくるような若さやかわいさを持ちながらも出会い系を利用しているのは、「若くてかわいい」ということが多くの男性にとって価値があることを知ったうえで、その価値を活かして「金銭」を得ようとしている強かな女性に限られるといってもよいでしょう。
男性は自らの価値基準によって出会い系で復讐される
「金銭」目的以外で出会い系を利用している女性ユーザーに多いのは、わずかな例外を除いて、「かわいさ」や「美しさ」というようなルッキズムの価値基準で物事を見る男性たちから無視されたり、ともすると容貌差別を受けてきたような女性や、加齢によって「若さ」を失った女性です。
ルックスや若さを基軸にしたご都合主義的な考え方で「出会いがない」という悩みを抱える男性は、出会い系という場所で、ルックスや若さを基軸にした女性と出会うことはほぼありません。
出会い系で「若くてかわいい女性」を求めている男性が「おじさん」であり、「おじさん」が自分の「年齢」を原因にして「出会いがない」と考える場合。あるいは、「若い男性」が「容姿」などを原因にして「出会いがない」とする場合、彼らは、自分たちが女性たちに対して向けてきた「若くてかわいい」という価値基準によって復讐される仕組みになっています。
「若くてかわいい女性」以外を認めなかった男性が、「若くもかっこよくもない」という理由で出会いから遠ざけられるのであれば、それは因果応報的であり、自業自得でもあります。
これは、年齢的には「おじさん」であったり、ルックスなどに難がありイケメンではないけれども「若い男性」に、出会い系における出会いがまったくないことを意味しません。実際、出会い系を利用して出会っている「おじさん」や、イケメンではない「若い男性」は存在します。
それらの出会いがある「若くもかっこよくもない」男性たちは、女性たちを「若さ」や「かわいさ」という基準から身を引き離している男性たちであると言うことができるでしょう。
「おじさん」であっても、イケメンではない「若い男性」であっても、相手となる女性の「若さ」や「ルックス」の基準を取り払えば、「金銭」を媒介としたわけではない、「恋愛」などにつながる一般女性との出会いの機会や可能性は充分にあるのがPCMAXという出会い系です。
年齢や容姿といった基準から離れて出会い系を眺める
その身勝手な基準を取り払うことができず「恋愛するなら若くかわいい女の子がいい」だとか「若くてかわいい女の子とタダマンしたい」と考えて、それ以外の女性の存在を排除して無視する限りは、それらの男性にはおそらく出会いは訪れません。
これらの男性は、自分たちが求める「若くてかわいい女性」に出会えずそもそも相手にもされないばかりではありません。自分たちが、出会い系以外の日常生活のなかでたえず無視し、排除し、ひどい場合は侮辱もしてきた女性たちからも、無視され、排除され、侮辱される存在になることでしょう。
「若く美しい女性」だけを褒めそやし、そういった女性だけを女性として扱うというような行動や思考を若い内からやめて、女性という存在を性欲のはけ口としてのみ扱うこともやめたうえで「おじさん」と呼ばれる年齢にまで成熟できた男性だけが、「年齢」や「容姿」に関係なく「女性」と出会うことができると私は考えています。
ここでいう「女性」が、「若くてかわいい女の子」には決して限定されない、むしろ、そのような価値基準からはぐれてしまうような女性が大多数を占めていることは言うまでもありません。女性というよりもより広く人間と出会うのだ、と言い換えてもいいかもしれません。
《出会い系を利用する場合、「おじさん」と「若い男性」を比べたときに、「若い男性」が有利であり、「おじさん」は不利である》というような言説がまかりとおるとして、もし、その言葉がしっくりくるというのであれば、自分のなかに根強く残っている「年齢」と「容姿」で他者を判断する思考のあり方について少しばかり反省を巡らせてみるのもいいでしょう。